ホーム お知らせ

感染状況を評価する5つの新レベルが公開されました

感染状況を評価する5つの新レベルが公開されました

感染症情報

感染状況を評価する5つの新レベル

ワクチン接種が行われていない時期は、新規陽性者数と医療逼迫の関係の検証し、新規陽性者数を含めたさまざまな指標をもとにレベル目安が設定されていました。しかし国内のワクチン接種率が70%を超え、新規陽性者の重症化率も下がったことで、医療逼迫が生じない水準に感染を抑えることに重点を置いた新たな5レベルが2021年11月に設定されました。

政府は、感染レベル2以上でまん延防止等重点措置、感染レベル3で緊急事態宣言を検討すべきとしています。

レベル0(感染者ゼロレベル)

状態

・新規陽性者数ゼロを維持できている

・大都市圏では感染が持続していても、都道府県によっては新規陽性者数がゼロの状況がある

求められる対策

(1)ワクチン接種率の更なる向上及び追加接種の実施

(2)医療提供体制の強化(治療薬へのアクセス向上を含む)

(3)総合的な感染対策の継続  
①個⼈の基本的感染防⽌策
②検査体制の充実及びサーベイランスの強化(国⺠の感染状況把握のための抗体検査等)
③積極的疫学調査の徹底(感染源調査及びワクチン・検査の戦略的実施等)  
④様々な科学技術の活⽤(⼆次元バーコード(QRコード)、COCOA、健康観察アプリ、⼆酸化炭素濃度測定器(CO2モニター)等)  
⑤飲⾷店の第三者認証の促進

レベル1(維持すべきレベル)

状態

・安定的に⼀般医療が確保され、新型コロナウイルス感染症に対し医療が対応できている状況

・基本的な対策の継続で、教育や⽇常⽣活、社会経済活動の段階的な回復も可能になる状況

求められる対策

レベル0と同様

レベル2(警戒を強化すべきレベル)

状態

・新規陽性者数の増加傾向が⾒られるが、病床数を増やすことで、医療が必要な⼈への適切な対応ができている状況

求められる対策

・短期間にレベル3に移⾏する可能性があることから、様々な指標(※2)を注視しつつ、警戒を強化する必要がある ・特に⼤都市圏でレベル2になった場合には、地⽅部への感染拡⼤を抑制するための施策を準備する必要がある

【警戒強化のための情報の見える化】

各都道府県は、地域の実情に合わせて、以下(1)-(2)に⽰す⽅法も⽤い、その時点の感染や医療の状況及びその後の予測について⾒える化を進める必要がある。

(1)感染及び医療の状況についての“予測ツール”(※1)や様々な指標の利⽤

(2)保健所ごとの感染状況の地図(※3)などの利⽤

・レベル1からレベル2への移⾏の指標及び⽬安は、地域の実情に合わせて、保健所の逼迫も考慮し、病床使⽤率や新規陽性者数も含め、各都道府県が具体的な数値を設定することが考えられる。

・地⽅部ではクラスターが少しでも発⽣すると新規陽性者数の急激な増加につながることが考えられることから、特に、医療提供体制が脆弱な⾃治体ではレベル2への移⾏を早期に検討する必要がある。

・新規陽性者数⾃体は、これまでと同じ値であったとしても、ワクチン接種率の向上等により、これまでよりも医療への負荷が⼩さくなっていることに留意する必要がある。

【求められる対策】

<自治体>

人々が感染リスクの高い行動を回避するように呼び掛けることや、感染拡大防止のために必要な対策を講じるとともに、保健所が逼迫しないための保健所の体制強化を行う必要がある。

<都道府県>

療機関と協⼒して、この時点で必要な病床を段階的に確保していく必要がある。 レベル2の最終局⾯では、⼀般医療に制限を加えつつも、レベル3の最終局⾯において必要となる病床の確保に向け準備を⾏う必要がある。その際、コロナ医療として、オンライン診療の積極的な利⽤も含め、⼊院療養、宿泊療養及び⾃宅療養を⼀体的に運⽤していく必要がある。

<国及び都道府県>

レベル3で行う対策の準備を進める必要がある。

レベル3(対策を強化すべきレベル)

状態

・⼀般医療を相当程度制限しなければ、新型コロナウイルス感染症への医療の対応ができず、医療が必要な⼈への適切な対応ができなくなると判断された状況

・“強い対策”を講じる必要が出てくる状況。

求められる対策

【対策強化タイミングの判断】

・“予測ツール”及びその他の様々な指標(※2)に基づき、「3週間後に必要とされる病床数」を都道府県ごとに推計する

・レベル2からレベル3への移⾏は、「3週間後に必要とされる病床数」が各⾃治体において確保病床数に到達した場合⼜は病床使⽤率や重症病床使⽤率が50%を超えた場合に、都道府県が総合的に判断する

【求められる対策】

<国及び自治体>

・国民に対して強い呼びかけを行う必要がある

<大都市圏>

・都道府県を越えた社会経済圏が一体の地域について広域的に“強い対策”を講じることが必要になる。

・“強い対策”とは、病床の更なる確保や、緊急事態措置以外にも、感染拡⼤防⽌のために、クラスターが⽣じている場所や集団に対する集中的な対策(ワクチンや検査の戦略的かつ集中的な実施、飲⾷店やイベントの⼈数や時間の制限、対⾯授業の⾃粛要請等)を講じることなどが考えられる

・社会経済活動の制限緩和のためのワクチン・検査パッケージの利⽤については、状況に応じ、継続運⽤や停⽌を検討することも必要となる

<地方部>

・まん延防⽌等重点措置も含め各地域にふさわしい効果的な対策を講じる必要がある

<国>

・都道府県の医療逼迫の状況等を総合的に判断して、感染拡⼤防⽌策及び医療提供体制の強化など必要な措置を機動的に講じる必要がある

レベル4(避けたいレベル)

状態

・⼀般医療を⼤きく制限しても、新型コロナウイルス感染症への医療に対応できない状況

・各⾃治体の最⼤確保病床数を超えた数の⼊院が必要となってきて、集中治療の再配分等も現場で検討せざるを得なくなる状況

求められる対策

医療逼迫の状況によっては、都道府県及び医療の現場の判断に基づき、更なる⼀般医療の制限や積極的疫学調査の重点化などを含めた対応が求められる。 <国> 災害医療的な対応として都道府県の⽀援及び都道府県間の調整を⾏うとともに、国⺠に対しても医療の状況について周知する必要がある。

※1:公開されている予測ツールやその他の推計。なお、予測に際しては、感染者数が少ない場合や予測時点が遠い場合には、精度が低くなることにも注意が必要である。

※2 :新規陽性者数、今週先週⽐、PCR陽性率、病床使⽤率、重症病床使⽤率、⼊院率、⾃宅療養者数及び療養等調整中の数の合計値、重症者数、中等症者数、感染経路不明割合等のその他の指標の推移。中等症者数の状況については、各⾃治体のデータや国⽴感染症研究所の推計値等を参考に、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおいて公表していく予定。

※3:厚⽣労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで提⽰していく。

※4:「感染再拡⼤(リバウンド)防⽌に向けた指標と考え⽅に関する提⾔」(令和3年4⽉15⽇提⾔)

出典:新たなレベル分類の考え方 令和3年11月8日(月)(新型コロナウイルス感染症対策分科会)をもとに一部編集